マイナンバーカードの取得状況と今後の普及への取組み

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◆普及に向けた地方自治体の取組み

 マイナンバーカードは、2016年から交付が開始されましたが、昨年12月16日時点で交付枚数は約1,872万枚、取得保有率は14.7%といまだに普及が低迷している状況です。

 そこで、昨年9月、政府は全市区町村に対し、マイナンバーカードの交付円滑化計画の策定を要請しました。計画の主な取組みは以下のとおりです。

・来庁者への申請勧奨・申請受付、出張申請受付の実施

・ハローワーク、税務署、運転免許センター、病院・介護施設、学校、郵便局、企業等での申請・交付機会の拡大

・住民への周知広報

◆マイナポイントとは?

マイナンバーカード普及への取組みとして、今年9月から「マイナポイント制度」の導入が予定されています。この制度は、消費税増税に伴う消費者への還元と東京オリンピック・パラリンピック後の消費の下支えする観点から実施するとともに、キャッシュレス決済基盤の構築を図るとしています。

マイナポイントとは、マイナンバーカードを取得し、マイキーIDを設定し、キャッシュレス決済サービスにおいて「前払い(チャージ)」または「物品購入」を行った際に、国から付与されるポイント(1ポイント=1円相当)のことをいいます。そして、マイナポイントを申し込むことでプレミアム分として25%が還元されます(ポイントの利用上限は5,000ポイント)。実施期間は2021年3月までの予定となっています。

 マイナポイントの詳しい仕組みやマイキーIDの設定方法等については、総務省「マイナポイント事業」サイト(https://mynumbercard.point.soumu.go.jp)を参照してください。

◆来年3月から健康保険証の代わりに!

また、マイナンバーカードは、健康保険証として利用できるようになることが予定されています。2021年3月からの利用開始を目指し、今後、支払基金と各保険者との間のシステム運用テストが実施され、順次、医療保険資格情報を登録していくこととなっています。

健康保険証として利用するには、事前にマイナポータルへの登録が必要です(今年4月から登録申込み開始予定)。マイナポータルに登録することで、自分の薬剤情報や特定健診情報を確認できるようになります。また、医療費情報を取得し、領収書がなくても確定申告書の自動入力が可能となります。

その他、マイナンバーカードを医療機関や薬局の受付に設置しているカードリーダー(2023年度末までにすべての医療機関や薬局に導入予定)にかざすことで、スムーズに医療保険の資格確認ができ、事務処理の効率化につながることが期待されます。

◆今後の取組みにも期待

昨年12月に行われた「第6回デジタル・ガバメント閣僚会議」の資料によると、2023年度末にはほとんどの住民がマイナンバーカードを保有していることを想定しています。

また、同資料の「マイナンバーカードを活用した各種カード等のデジタル化等に向けた工程表」のうち、就労関係では2022年度末からにハローワークカードジョブカード技能士台帳安全衛生関係各種免許技能講習修了証明書等建設キャリアアップカードマイナポータルと連携して利活用できるようになる予定です。さらに、医療や各種証明書、さまざま公共サービスへの活用の拡大も予定されています。