戸崎事務所便り令和2年9月号
今月のことば
やり直しはできないけれど
出直しはできる
修養団 元道場長 中山靖雄
―今月号の記事からー
- 8月1日から雇用保険の基本手当日額が変更になっています
- マイナンバーカードの健康保険証利用受付が始まりました
- 組織と人を成長させる1 on 1ミーティング
①8月1日から雇用保険の基本手当日額が変更になっています
◆「基本手当日額」の変更
雇用保険の基本手当日額が、令和元年度の平均給与額が平成30年度と比べて約0.49%上昇したことおよび最低賃金日額の適用に伴い変更されています。なお、平均給与額については、「毎月勤労統計調査」による毎月決まって支給する給与の平均額(再集計値として公表されているもの)が用いられています。
◆具体的な変更内容
1 基本手当日額の最高額の引上げ
基本手当日額の最高額は、年齢ごとに以下のようになります。
(1) 60歳以上65歳未満 7,150円 → 7,186円(+36円)
(2) 45歳以上60歳未満 8,330円 → 8,370円(+40円)
(3) 30歳以上45歳未満 7,570円 → 7,605円(+35円)
(4) 30歳未満 6,815円 → 6,850円(+35円)
2 基本手当日額の最低額の引上げ
2,000円 → 2,059円(+59円)
※ 基本手当日額の算定基礎となる賃金日額の最高額、最低額等については、毎年度の平均給与額の変動に応じて変更されていますが、これにより変更された最低額が、最低賃金日額(地域別最低賃金の全国加重平均額に20を乗じて7で除して得た額)を下回る場合は、最低賃金日額を最低額とすることとされています(雇用保険法第18条第3項)。
令和2年8月1日以降の基本手当日額の最低額については、最低賃金日額に、基本手当の給付率80%を乗じて計算されています。
(計算式)
901円(令和2年4月1日時点での地域別最低賃金の全国加重平均額)×20÷7×0.8=2,059円
*変更の詳細については厚生労働省のパンフレットをご確認ください。
② マイナンバーカードの健康保険証利用受付が始まりました
2021年3月から、マイナンバーカードが健康保険証として利用できることになっていますが、その申込みが始まりました。詳細はマイナポータルのホームページに掲載されていますが、概要は以下のようなものです。
◆メリットは?
① 就職・転職・引越をしても健康保険証としてずっと使える
② マイナポータルで特定健診情報や薬剤情報・医療費が見られる
③ マイナポータルで確定申告の医療費控除がカンタンにできる(2021年分確定申告から)
④ 窓口への書類の持参が不要になる
◆使い方は?
医療機関や薬局でマイナンバーカードをカードリーダーにかざすだけで使えます。オンライン資格確認が導入されている医療機関・薬局では、マイナンバーカードを持参すれば健康保険証がなくても利用できます。医療機関や薬局は、マイナンバーカードをかざした後、顔写真で本人を確認します。また、医療機関や薬局が12桁のマイナンバーそのものを取り扱うことはなく、マイナンバーカードのICチップ内の利用者証明用電子証明書を利用します。
ただ、オンライン資格確認が導入されていない医療機関・薬局では、引き続き健康保険証が必要です。
◆事前に準備するもの
① 申込者のマイナンバーカード+数字4桁の暗証番号(パスワード)
② マイナンバーカード読取対応のスマートフォン(またはPC+ICカードリーダー)
③ 利用するブラウザ用のマイナポータルアプリのインストール
なお、マイナポータルのホームページでは、パソコンの場合とスマートフォンの場合の利用申込方法の動画が公開されることになっているようですが、8月12日現在では「準備中」の表示になっています。
マイナポータルのページへGo!
③組織と人を成長させる1on1ミーティング
働き方改革・テレワークの浸透などで、社内コミュニケーションの重要性が再認識されています。そこで注目されているのが、「1 on 1(ワンオンワン)ミーティング」です。単に「1 on 1」と呼ばれることもあります。これは、上司と部下が1対1で行う面談です。1回の所要時間は30分~1時間程度で、1週間や1か月ごとなど定期的に開催するのが特徴です。外資系企業やスタートアップ企業等では、すでに文化として定着しています。
話し合う内容は、企業によってさまざまです。現状の確認や、業務上の小さな気づきや困りごと、今後の目標、プライベートについてなどが多いようです。人事評価のための面談とは異なり、その場で評価することはしません。定期的に対話を行うことで、上司と部下の関係性を深めながら、部下自身の気づき・成長を促すことが目的です。
◆どのような効果があるか
1 on 1ミーティングは、以下のような目的をもって行うと、大きな効果があるとされています。
1 部下の成長を促す
1 on 1では、上司が問題や解決策を教えるのではなく、対話の中で部下が自ら気づくことを求めます。これにより、自らの課題について主体的に考え、行動できるようになります。
2 上司の成長を促す
1 on 1における上司の役割は、部下の考え・感情を汲み取り、適切な方向に導くことです。聞く力を磨くことで、部下を育成する力を高めることができます。
3 組織の成長を促す
上司と部下が信頼しあい、なんでも話せる組織を作ることができます。こういった組織では、状況把握や適切な人材配置が行いやすくなります。イノベーションを生み出すことに繋がります。また、不満や不安にいち早く気づくことができ、定着率の向上にも役立ちます。
飲み会や喫煙所等でのコミュニケーション機会が減少し、テレワーク等で顔を合わせることすら減っている昨今、かつてより意識して社内コミュニケーションをとる必要があります。そのための仕組みとしての1 on 1ミーティング導入を考えてみてもよいかもしれません。
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